インドの物価はどのくらい?
〜コスト面から見るインド・オフショア開発の魅力とは〜
「日本におけるインド・オフショア開発の可能性」の記事でも以前お伝えしましたが、インドでオフショア開発をする最大のメリットはコストにあります。インドは物価が低く、よく日本の約3分の1と言われていますが、現地で生活する場合は実際どれくらいかかるのでしょうか。今回は、インドの人件費や生活費などを他国と比較しながら、インド・オフショア開発のコストメリットを見ていきたいと思います。
人件費
オフショア開発の際、一番気になるのがやはり人件費ですが、今回はインド2都市(ニューデリーとチェンナイ)と、オフショア開発でインドとよく比較される中国の2都市(北京・香港)と比較してみます。
ジェトロの投資比較によると、例えば非製造業の一般職(実務経験3年程度)の月当たりの基本給は、全て米ドル換算でニューデリー668ドル、チェンナイ411ドル、北京1252ドル、香港2429ドル、東京2595ドル。
課長クラス(大卒以上・実務経験10年程度)の場合は、ニューデリー1742ドル、チェンナイ1182ドル、北京2649ドル、香港4288ドル、東京4960ドル。となっています。
インドにおける非製造業の給与
インドと中国はよく比較されていますが、近年、中国の人件費が高騰しており、以前ほどコストメリットは少なくなってきています。
中国と日本の非製造業の給与
備考:インドは、2018年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査(2018年10~11月ジェトロ実施)。中国は、アジア・オセアニア進出日系企業実態調査2019年8~9月ジェトロ実施。日本は、東京都人事委員会「平成30年職員の給与等に関する報告と勧告」による。
図はジェトロ の投資比較データを基に作成
地価の比較
次に、事務所や市街地に店舗を構えた時はどのくらいかかるのかみてみましょう。下の表は、北京・香港・ニューデリー・チェンナイの地価を示したものですが、例えば、事務所賃料(1平方メートル当たりの月額料)は北京77〜280ドル、香港34〜208ドル、ニューデリー21ドル、チェンナイ12ドルとなっており、こちらもやはりインドの方がかなり安くなっています。
インドでは敷金は家賃の2 ~ 3カ月分が基本ですが、オーナー、業者によりさまざまです。また賃料はあらかじめ上乗せされて提示される事が多いので、値引きやオプションが付けられるか等、交渉が必要となってくるでしょう。
北京・香港の地価比較
ニューデリーとチェンナイの地価比較
食費
インドでは日常的な食料品は日本と比較するととても安くすみます。ベジタリアンが多いので、食卓に欠かせない野菜は特に安くなっていますが、輸入品には高い関税がかけられているため、アボカドのような輸入野菜は日本と比べると高くなっています。
トマト、オクラ、キャベツ1Kg :20ルピー(30円)。 マンゴー1kg(2~3個):130ルピー(約200円)。
バナナ1キロ50ルピー(約78円)。アボカド1個 : 500円。
水1リットル:20ルピー(約30円)。 牛乳が500ml :35ルピー(約54円)。 チャイ1杯:5ルピー(約7円)
鶏肉(もも)1kg:290ルピー(約460円)
外食
それでは外食はどうかというと、やはりカレーなどのローカルフードは安い一方、外国料理は高くなります。
・屋台のスナック(サモサやドーサ):1つ10ルピー(約15円)〜。
・ 地元のレストランでカレーなどローカルフードを食べる場合は、200ルピー(約320円)くらい。安い屋台だと20ルピー(30円)で食べられる場合もあります。
・小綺麗なレストランになると、1品400ルピー(630円)ほど。
・ 日本食や外国料理などは500~2000ルピー(約800~3200円)と高めです。ホテルや高級レストランの場合は、サービス料や飲み物代を含めて5000円は見ておくとよいでしょう。
右写真:インドでポピュラーな揚げパン「サモサ」(https://ja.wikipedia.org/wiki/サモサ#/media/ファイル:Samosa.jpg)
交通費
インドの交通手段はタクシーやメトロ、リキシャが一般的で、UBERやOLAなどの配車アプリもよく利用されます。
・メトロ(デリーメトロ):10ルピーから(約16円)
・タクシー:初乗り30INR(50円)~。1km:10〜20ルピー程度。
・オートリキシャ(デリーの場合):初乗り2キロまで25ルピー。その後1キロ毎に8ルピー。午後11時から午前5時までは25%の夜間料金がかかる。
右画像:オートリキシャhttps://en.wikipedia.org/wiki/Auto_rickshaw#India
このように見てみると、やはりインドの物価は日本の3分の1、物によっては5分の1くらいになるようです。近年、中国は人件費や物価の上昇などもあり、コストメリットが以前ほどなくなってきています。その分、インドのオフショア開発は非常に魅力を増しており、同マーケットの拡大も期待されています。
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