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インシュアテックで保険業界が変わる! AIが作り出す新しいビジネスの形とは? 

2020-01-15 15:08:27

インシュアテックで保険業界が変わる!AIが作り出す新しい仕事の形とは?

画像出典:https://docs.microsoft.com/ja-jp/archive/blogs/jpai/newinai-190603-ai-automotive-industry?ln=ja-jp

AI活用で自動車事故対応が迅速に

IT技術の活用で私たちの暮らしは格段に便利になっていますが、近年、AIなどの情報技術を利用して業務改善を図る動きが保険業界で高まっています。

IT技術の活用で私たちの暮らしは格段に便利になっていますが、近年、AIなどの情報技術を利用して業務改善を図る動きが保険業界で高まっています。

 人口約13億人、2027年までに人口世界一になると予測されているインドでは、自動車の普及が進んでいます。それと共に交通事故も多発。毎日2億3万台の乗り物が事故に遭い、1200件の自動車事故が起こっています。また、インドの2018年の交通事故死者は約15万人で、この数字は日本の約43倍にもあたります。

このような事情から、保険金の請求件数も急増し、保険が下りるまでに何日も契約者を待たせてしまうことがあるという問題を保険会社は抱えています。 そこで、インド第2位の大手保険会社ICICI Lombardは、この問題解決のため、マイクロソフト社と共同で、インド初のAI自動車保険アプリ「Insure」を開発しました。

開発は、ICICI Lombardとマイクロソフトのエンジニアが共同であたり、アジュール(マイクロソフト社が提供するクラウドサービス)、コンピュータービジョン(コンピュータがデジタル画像や動画をいかによく理解できるか研究する分野)、機械学習などの最新のIT技術が駆使されています。

もし事故が発生した場合は、このアプリをスマートフォンに入れて、破損部分を撮影し画像をアップロードするだけ。 AIが自動的に屋根・窓・バンパーなど車を各部分ごとに分けて識別、更に引っかき傷・へこみ・欠けなど損傷の種類も細かく分類。過去のデータを参考に、迅速に見積額を算出してくれます。

これまでは、車が事故で損傷を受けた場合、まずはコールセンターに電話し、サービスエンジニアが損傷を査定・修繕費を見積。その後、別の担当者がその内容の承認・変更をする…など様々なステップを経る必要がありました。 しかし、このアプリなら今まで数週間かかっていた単純な案件を数日で処理することができます。将来的には、毎月 8 万件以上の請求を事故当日中に処理することを目指しています。

同アプリでは保険金の見積もり以外にも、オンラインでの新規契約や契約更新サービスが利用可能で、契約者に喜ばれています。 同社は現在、1日あたり150から200の車の継続更新をオンラインで処理していますが、単純作業はAIに任せ、スタッフはより複雑な案件に集中して取り組んだり、スキルアップに時間を有効に使ったりできるようになったため、生産性が向上したと話しています。

日本の保険業界もAI導入へ

AIを取り入れて業務改善をする動きは、世界のトレンドとなりつつありますが、この動きが近年、日本でも見られるようになっています。

2019年は、住友生命保険相互会社は5月から、SOMPOホールディングス株式会社と損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社は9月−12月に、インドのスタートアップ企業であるVYMO社の営業支援アプリの実証実験をスタートしました。

VYMOは2013年、マッキンゼーで大企業の営業トランスフォーメーション(営業改善)プロジェクトのリーダーを務めていたヤーマニー氏と、Googleでインテリジェントモバイルアプリを開発していたベンカット氏の二人によって創設されました。本社はインドのバンガロールにあります。

画像右:VYMOのCEO、ヤーマニー氏(Yamini Bhat)

https://twitter.com/getvymo/status/889379560013217792

VYMOの営業支援アプリケーションには、人工知能(AI)を活用し、下記のように、効率的な営業活動をサポートする様々な機能が備えられています。

・GPSで自分の位置情報が地図上に反映され、効率よく外回りができる。

・AIが営業マンに最適な営業ルートを提案してくれる。

・AIが最適な営業アクションを教えてくれる。

・顧客や営業活動の情報の一元管理、営業成績の可視化し、全ての情報を共有。営業活動の効率化や生産性の向上が期待できる。 

2019年9月時点で、50以上の保険会社や銀行、10万人以上の営業担当者に利用されています。顧客には、アクサ生命(仏)、アリアンツ(独)、チューリッヒ保険(スイス)、エイゴン(蘭)などのグローバル保険会社も多数あり、順調に契約件数を伸ばしています。

画像出典:https://getvymo.com/japan

世界的なコンサルティング会社であるアクセンチュアが2017年7月に発表した報告書によると、保険会社の経営幹部の75%(日本では67%)が、AIよって2017年からの3年間で保険業界全体が大きく変わる、もしくは完全に変容するだろうと考えている」と報告されています。 

 日本の保険会社では現在のところ、チャットボットによる照会サービスやコールセンターでAI活用が広まりつつあり、三井住友海上火災保険、チューリッヒ生命、ライフネット生命でも採用されています。

 これまでは、何か疑問があった時は、カスタマーセンターに営業時間内に電話をかけるか、サイト上でFAQを検索しなければなりませんでした。しかし、チャットボットを導入したことで、カスタマーセンターの対応時間外である夜間や休日を含めて、待ち時間もなく24時間365日いつでも手軽に質問ができるようになりました。

 人手不足や働き方改革が叫ばれている中、今後、様々な分野でAIの導入が拡大していくと予測されます。特に保険業は単純な反復作業が多く、顧客情報など大量のデータを取り扱うため、AIとの親和性がとても高いと言われており、AI活用の幅は今後どんどん広がりを見せていくでしょう。

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