Power BIが企業のFP&A機能を強力サポート
活用事例1: 小売チェーン
近年、日本の企業でFP&Aという職業が徐々に耳にするようになってきました。FP&AはFinancial Planning & Analysis(ファイナンシャルプランニング&アナリシス)の略で、、「財務計画」と「数的分析」を行い、経営面でCEOにアドバイスするポジションになります。FP&A海外企業は広く浸透しており、例えば、幅広い事業を手がけているamazonでは、ゲーム部門・プライムビデオ部門・AI部門など、事業ごとにFP&Aが在籍し、経営のアドバイスをしています。
日本では、ソフトバンクが積極的にFP&Aを採用してきましたが、近年、資生堂やNECなどの大企業も相次いでFP&A を採用し始め、グローバルスタンダードに合わせた経営をする動きが日本でも見られ始めています。
各部門の経営状況は会社全体に影響を与えるため、複数の事業を展開している場合や子会社が複数ある場合、amazonのように各部門にFP&Aを置くことが望ましいでしょう。しかし、FP&Aは需要の高まりにより、日本はもちろん世界的に採用が困難で、amazonのような体制は多くの企業には現実的ではありません。
そこで、 グローバルジャパンではFP&Aの業務をサポートしてくれるPower BI活用をお勧めしています。では、Power BIにはどのようなFP&A機能があるのか、弊社で取り扱った事例を見てみましょう。
クライアント概要?
アジア(タイ、インドネシア、ベトナム)と日本で展開する製造小売業。世界各地に、店舗•生産工場・倉庫がある。
課題
1. 膨大な量のデータ管理が追いつかない
この会社は、少子高齢化の日本ではビジネスに限界があると考え、急速に発展しているアジアに積極的に展開しています。しかし、国内外にある店舗•生産工場・倉庫から送られてくる膨大な量のデータを管理できていない状態でした。
2.データ管理が非常に複雑
この会社では、作業ごとに違うアプリケーションを使用していました。例えば、データはエクセルで入力。シミュレーションはスプレッドシート。経営陣へのレポート作成も別のツールを使っていました。
このように効率の悪い管理体制ため、経営陣にレポート提出した時には、既に現場での状況が著しく変わっていたり、問題が深刻化してしまったりと、経営に深刻な問題が起こっていました。また、事業拡大には、中長期的な財務計画は必須ですが、データへの信頼性が乏しいため、そちらも上手くいっていませんでした。
ソリューションと成果

そこで弊社では、まずはPower BI を導入し適切なデータ管理をする。そして、分析結果から正確な現状把握と中長期的な財務計画を行っていくプランをご提案しました。その結果、以下のような成果を得ることができました。
1. データの一元管理で誰でもアクセス可能に。
以前は、データは各担当者がエクセルで管理しており、他のスタッフときちんと共有されていませんでした。中には複雑なマクロが組まれている事もあり、スタッフの異動や退職があると、後任者が理解できずお手上げ状態というケースもよくありました。しかし、引き継ぎが容易になった事で、作業効率が飛躍的に向上しました。
2. 不正の抑止
データが共有された事で、データの取得元が明確になりました。データを入力した担当者も分かるので、データに疑問がある際は直接確認する事が可能です。
3. ミスが減る
Power BIはエクセルや他の業務システムからデータを吸い上げてくれます。ミスは人手が入る程多くなりますが、オリジナルのデータを自動で吸い上げてくれるため、ミスが大幅に減り、作業効率もアップしました。
4. オールインワンでデータ管理が楽に。
データ収集、レポート作成、経営管理、経営計画を全てPBIで行う事ができます。これまで複数のアプリケーションを使い複雑化していたデータ管理が、楽にできるようになりました。
5. 経営管理
各店舗の予算プロジェクト、貸借対照表予測。グループ全体と各店舗の予算から月次収支、負債の状況、当座預金の残高、金利データなど、経営管理分野全体を確認できるようになりました。
6. 経営計画
より正確なデータをタイムリーに収集・分析できるようになった事で、財務および設備投資のKPIを計算し、中長期的なシナリオのシミュレーションを容易に行う事が可能になりました。
いかがでしたか? このようにPowerBI でデータを深堀する事で、自社にFP&Aがいなくても、適切な経営管理•経営計画を立てる事が可能になる事がお分かりいただけたかと思います。次回も、PowerBIを活用した経営管理•経営計画の弊社取扱事例をご紹介します。